2008年8月16日 (土)

アリンコン納涼寄席・第二夜

死神のお陰で大金持ちに成り上がった男。いい気になって遊んで暮らしておりますと、お金というのは稼がないで使ってばかりだと、どんなにあってもあっという間なくなるもんでね、Asinigami9 男もあっという間にもとの木阿弥のスッカラカン。おかみさんおん出して一緒に暮らしてた若い女も、元々金に惚れてただけだから金と共に消え去ってしまいました。

それじゃぁまた医者をはじめるか、とボサボサして待っていると、時々ポロっと「大先生!」とお客が来る。男は喜んでのこのこついて行きますが、運が逃げた時というのは本当に運がない。行く所行く所 全部が全部、死神が枕元に座っているからたまらない、枕元に死神がいるということは、その病人の寿命が尽きているという意味で、どうにも助けようがない。何人か目で行ったその大店の旦那の枕元にも、やはり死神が・・・・Asinigami910

男はできないと言うが番頭さんから家族から、なんとかしてもらおうと男を引き止めて、お酒やら食べ物やらでもてなしてくれたのが男の人生を変えることとなろうとは、誰も知る由もなかったんですな。

その時に女中さんが男に出したお膳が左右逆だったのを番頭さんが「魚は頭が左、しっぽが右だよ! くるっとお膳を回しなよ」と叱ったのを聞いて、男はひらめいた。Asinigami911

力自慢の若い衆と自分だけ残って所払いをすると、男は「俺が合図をしたら、それぞれ布団の角を持って、頭が足の方に、足が頭の方にくるように、くるっとまわしとくれよ。これはやり直しがきかないからな、しっかりやっとくれよ、いいな!」と指示を出しておいて、死神の様子を見続けました。 いくら死神とは言え、人間の寿命が尽きるまでずーーっと枕元にいるのは辛いもの、特にこの病人のように死が間近にせまっているとなると死神も疲れてまいります。男が様子をみてしばらくすると、死神さん、コックリコックリ船をこぎだしまて・・・。Asinigami912

ここぞとばかりに男が若い衆に目配せして合図にヒザをポーーンと叩きますというてぇと、連中作戦通りに布団の四隅を持ち上げて、布団をくるっと回してしまったからさぁ大変、ハッと目覚めた死神、今の今まで枕元に座っていたはずが、ちょっとウトウトしてる内に足元に座っている。一体これはどうなってるんだ、とパニックになっているところに、男が例の呪文を唱えたもんだからたまらない、Asinigami913 死神さん、何がどうなってるのかわからないまま大慌てで消え去って行きました。

死神が消えると旦那さんの顔色も急に良くなって、むっくり起き上がるといういつものパターンで、驚いたのは家の者たち、あれほど無理だと言われていたのが全快となったらそれはもう大騒ぎ、男もたんまりと礼金をもらって、ホクホク顔で家路についておりましたが・・・Asinigami914

 

さて、男が死神に連れて来られたのは、暗い暗い洞窟の奥の奥。しばらくの闇の後に、何やら灯りが見えてまいりました。Asinigami9141

Asinigami915 洞窟の奥一面にロウソクの灯り。暗がりを不気味に妖しく照らしている。そして、このロウソクが人間の寿命だと死神は言う。 そこで勢いよく燃えてるのはお前が追い出したおかみさんの寿命で、まだまだ健康そのもの、その隣りでひときわ元気に燃えているのがお前のせがれ、こいつぁ長生きするぜ。 そんなことを聞かされている男の目に、今にも消えそうなチビだロウソクが。追い出したおかみさんとせがれの隣りにあるそのチビたロウソク・・・ まさか・・・・Asinigami916

死神が「元々はこっちがお前の寿命だった」と指差したのは、たった今死神をだまして助けた大店の旦那の寿命ロウソク。

1度死ぬと決まった人間の伸びた寿命はどこから来たと思うんだ、何もないとこから寿命がはえてくるわけがあるまい、あの時お前はあの瀕死の旦那の寿命と自分の寿命をとりかえっこしちまったんだ。恩を仇で返した報いだ。お前はもうすぐここで死ぬ。本当だったらさっき道端で行き倒れになるところだったのだが、自分がどうして死ぬのかくらいは知りたいだろう、自分の寿命が尽きるとこを見せてやろうと思ってここに連れて来てやったんだ、と死神。 男は助けを乞うが、逆に「初めて会った時、お前、楽な死に方を知りてぇと言ってたな。教えてやるよ。そのロウソクの火を吹き消すんだ。そうすりゃ火が消えると共にフゥっと楽に死ねらぁ フフフフ・・・・」と揚げ足をとられる始末。Asinigami917_2 

なんとか助かりたいと妙な理屈を持ち出した男に、死神は半分燃えたロウソクを差し出して、だったらこのロウソクに火をうつしてみろ、と最後のチャンスを与えます。 燃えガラでもなんでも、今死ぬよりはってんで男は必死で火をうつそうとしますがこれに命がかかっていると思うと緊張して手が震え汗が吹き出し・・・・・Asinigami918

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2008年8月15日 (金)

アリンコン納涼寄席・第一夜

Asinigami 毎度少ないお運びありがとうございます。お久しぶりのアリンコン独り会、今回は季節柄、納涼寄席ということで、演目は「死神」でございます。いざやってみるとなかなかの大作でして、今日・明日の2夜連続とさせていただきます。

♪おつかいアリさん♪の出囃子で登場のアリンコン、涼しさをお届けできますかどうか、お付き合いを願います。

いつの世にもどうしようもない男ってのはいるもんで、このお噺に出て来る男も、ろくに働きもしないで飲むわ遊ぶわどうしょうもない。その日もおかみさんと大喧嘩して「もうあんたの顔なんか見たくない! 出てっとくれ!」「あぁ、出てってやらぁ!」ってんで家を飛び出したんですな。

フラフラ歩きながら、もう死んでしまおうか、なんてことを考えてはみても、首つりは形が良くないし水にハマって魚のエサになるのもゾっとするし匕首で首をつくのは痛そうだ、とまぁ、要するに本気で死ぬ気なんてないですな。何か楽でいい死に方はないか、などとブツブツ言いながら歩いていると、ふいに声がかかりまして。Asinigami1_4   

死神の言うことには、この男の先祖が死神信仰をしていた徳で、人助けに来たそうで、しかもその祖先が「子孫の中で1番落ちぶれた奴を助けてくれ」と願っていたんで遂に今、この男の前に現れた、というわけ。Asinigami2

病人を治す呪いを教えてやる、と死神。お前みたいな奴のとこにも客が来るように呪いをかけといてやるから、家に帰ったらまず「医者」の看板を出せ。お願いしますと客が来たらそいつの家に行って寝ている病人を前にしろ。病人の足元か枕元に必ず死神が座ってる。それがもし枕元だったら「手遅れです」と何もせずに帰って来い。しかし、もし足元に死神がいたら助ける方法がある、と。 Asinigami3 「アジャラカモクレン キューライソ テケレッツノパ」の呪文の後に手を2回パンパンと叩くと、死神はその人間から離れなきゃならない掟になっている。死神が離れれば病人は治り、礼金をがっぽりもらえるという寸法だ。 ただし、助けられるのは八人までだと言う。Asinigami4

さて男はさっそく家に戻りまして、そこら辺にあったかまぼこの板かなんかにひらがなで「いしや」と書いて軒先に下げておきまして。まぁオアシがないんで酒もないしボサーっと待っておりますと死神の呪いが効いてるのか、翌日には、ごめんください、と客が来た。大沢屋という金満家の番頭が「主が5年の長患い、どうかお助けを」と言う。 男は張り切って番頭さんの後に付いてって大沢屋に行き、病床の旦那を見ると、これまた死神は上手い具合に病人の足元に座っている。Asinigami5

Asinigami6 男は所払いをして1人になりますてぇと、例の呪文をとなえて手を2回パンパン! これをされた死神はギロっと男を睨んでから渋々病人の足元から消える。Asinigami7 すると、それまで死相が見えていた旦那の顔色がぱぁっと良くなって、むくっと起きたかと思うと「腹が減った。うなぎでもとっておくれ」などと言い出したからさぁ大変、番頭さんからおかみさんからみんなで大騒ぎ。男のことも先生、先生、と下にも置かぬ待遇で、お疲れでしょうと飲めや唄えの宴あり、前金で10両ももらった上に帰りは駕籠まで用意されて長屋に帰ってまいります。

そんなことがあると大沢屋が発信源で「あの先生のお陰だ」「あの先生は名医だ」と評判が広がり、「礼金は50両」というのも手伝って男先生のところに来る客というのは金満家ばかり。行って死神が足元に座っていれば「アジャラカモクレン」パンパン! とやれば礼金がポーーン。 たまには枕元に座ってる時もありますから、その時には「これは手のほどこしようがありません。お気の毒です」と家を出るとそのすぐ後に病人がポックリ逝くんで「さすがあの先生だ」「お診立ては間違いなかった」と、いい方にいい方に事が運び、6人も治した頃には大金持ちになりました。

するとおかみさんも機嫌良く男に接するようになる、全て上手くいくかと思いきや、男なんてぇのはバカでね、外に若い女なんか作って、その内家にまで連れて来て古女房と子供をおん出してしまいまして。 おまけに遊んで暮らすというダメっぷりが、まぁ、死神が助っ人に来るような男だけのことはありますな。

そのダメ男がこの後どうなりますかは、また明日のお楽しみ・・・・・ つづく

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2008年3月31日 (月)

アリンコン独り会~花見の会~

Hanami 毎度少ないお運びありがとうございます♪ 今年も桜の季節となりました。アリンコンんちの庭にも枝垂れ桜が咲きまして、今回の独り会は桜の下からお送りします。

おなじみ♪おつかいアリさん♪の出囃子で登場のゆらゆら亭アリンコンです、「長屋の花見」でお付き合いを願いますー。

落語の方では長屋というのはおなじみの舞台、その長屋の7人衆が大家さんに呼ばれ、この7人がまた店賃なんかちっとも入れてないときてるからその催促じゃないかと警戒しながら大家さんを訪ねて行きまして。Hanami1

気のいい大家さんに付け込んでやっぱり払う気ナシ。Hanami2

さて大家さんがみんなを呼んだのは店賃のことなんかじゃなく、世間に貧乏長屋なんて呼ばれて気が利かない、そこで、悪魔祓い、貧乏神祓いでパーーっと花見に行こうじゃないか、というお誘いでした。しかも、一升瓶が3本に肴はかまぼこと卵焼き、それだけ自分が心配したから、お前たちは体だけでいいよ、と。 それを聞いた7人衆、俺たちのために酒肴を用意して花見に連れてってくださろうてんだ、ありがてぇ大家さんだ、と大喜びで口々にお礼を言いますが、そんな無邪気な7人衆を見て、大家さん何やら告白いたします。Hanami3

それでもハタから見れば全て本物に見える、と言ってきかない大家さん、Hanami4 今月の月番と来月の月番は幹事になって働いてもらう、と米屋の毛氈=むしろを丸めて棒を差した物を担がせ、お茶けを持つ者肴を持つ者、みんなで陽気にでかけることになりますが、もう貧乏が身についた連中、なかなか大家さんのようにはいかないようで。Hanami5

桜満開、すごい人出の上野の山に着いてもくだらないことを考えております。Hanami6

花の咲き具合を気にする大家さん・枝の丈夫さを気にする店子、下の方だとほこりがすごいからと大家さん・いやいや下の方が上で本物で楽しんでる連中のとこからゆで卵がコロコロっと転がってくるかもしれないと店子。Hanami7

米屋の毛氈敷くことひとつ、すんなりとはいきません。

腰を落ち着けたところで大家さんが幹事に酒を注いでまわれと言いますが、もちろんお茶けなんか誰も飲みたがらない。下戸だなんだと逃げ回る。Hanami8

まぁ嫌いじゃないし、と気を利かせたつもりの店子だったが・・・・Hanami9

かまぼこの葉っぱって・・・・。大家さんが、黙っておあがり! と一喝する始末。

Hanami92 飲んだり食べたりしてるのに誰も酔わないのはおかしい、とまた大家さん無茶なこと言い出します。もちろんお茶けじゃ酔えるわけもなくみんなうなだれていると、だったら月番が酔え! ということになりもうみんなヤケクソ。無理矢理ハイになって大家さんの景気のいいウソを混ぜっ返して遊んでおりますと、湯のみのお茶けに・・・・Hanami93

今回の師匠:柳家小さん

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2008年1月 4日 (金)

アリンコン新春寄席

Anedoko1 アリンコンの新春寄席へようこそー(・∀・)  ♪おつかいアリさん♪で登場のアリンコン、今日の演目は「寝床」ですー。

呉服屋の旦那さん、長屋の大家さんまでやっててお金はあるし人の面倒は見るし言うことないが、なんの因果かとんでもない声で義太夫を人に語って聞かせるのが大好き。その日もお酒の方と甘い物の方と分けておもてなしの準備も万端、長屋連中のとこに清三を使わせましたが・・・・Anedoko2

仕立て屋さんも魚屋さんも、急な仕事が入ったとか子供が生まれるとか、何かと理由をつけて来ようとしない。Anedoko92

じゃぁ家の者をと旦那さんは言いますが、家の者の方が1枚上手でおかみさんまで子供を連れて里に帰ってしまっている。Anedoko991

だーーれも自分の義太夫を聞いてくれないとわかった旦那さん、長屋連中を追い出すのはもちろん家の者も全員ヒマを出すからな! とおかんむり。清三さん、これは大変と長屋のみんなのところに、ちょっと来て聞いてくれないか、ともう1度呼びにいきますてぇと、長屋連中が集まって旦那さんの義太夫のグチ大会で、あの声というものはなんだ、ありゃぁ人間の声じゃねぇだの、耳が遠くてなんにも聞こえないばぁさんでさえあの義太夫に当たっただの、あんなものよく警察でもうっちゃっとくな、だのと言いたい放題。Anedoko992  それでもみんなひとしきりグチった後には、義太夫くらいで住むとこがなくなっちゃぁバカらしいってんで、日暮れ時になって仕方なくぞろぞろと旦那さんとこに参ります。はじめは意固地に「何しに来たんだ、今日はやらねぇったらやらねぇ」とつっぱねておりましたが、Anedoko994 清三さんが、いやいや皆こう言ってます、とちょいと口ぞえすると、旦那さんコロっと騙され気分を持ち返して長屋連中を家に入れます。Anedoko999

頭も提灯屋さんもヤケのやんぱちで旦那さんを持ち上げること持ち上げること・・・ あれ程スネてた旦那さん、酒をおやり羊羹おやり、とすっかりいい心持ち。 義太夫というのは裃をつけてやるものだけど、今日は裃がないので格好がつかないから御簾の向こうで語るとしよう、お前さん方も肩(裃)があるつもりで聞いとくれ、と旦那さんの義太夫が始まりました。Anedoko9995

さて長屋連中、御簾内ならこっちは見えやしねぇってんで酒をあびるわ羊羹頬張るわ、「これで義太夫さえなきゃぁねぇ・・・」「そうはいかねんだよぉ」「日本一!」「うまい !!」「義太夫がかい?」「羊羹」と好き放題。わーわーわーわー大騒ぎ。でも御簾向こうで自分の義太夫に酔ってる旦那さんにはわかりゃしない、賑やかなのは自分の義太夫がいいからだと思ってる。大分語った頃に静かになったから、聞き込んだのかとチラっと覗いてみると、なんと皆の衆、転がって寝ている始末。旦那さん怒っちゃったよ。Anedoko9996

長屋連中ももう開き直って言い合いになってしまいまして・・・。 ところが、部屋の隅で小僧がひとり泣いているではありませんか。旦那さん、あんな小さい子供でも俺の義太夫で泣いてると言うのにお前たちはなんだ !! と怒鳴った後、お前なんか買ってやるぞ、と小僧さんに声をかけますと・・・・Anedoko99991

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2007年12月28日 (金)

バルビ寄席

Atiritote1 バルビレッジという、部屋と庭のレイアウトを楽しむお人形さん遊びのゲームはユーザ同士のチャットができる機能の他に、行動ボタンというのがあって、あいさつやら手の仕草やらができる。それを使ったら落語ができるんじゃないか、と思いついてのチャレンジ、『ゆらゆら亭アリンコン~独り会~』をお送りしますー。

♪おつかいアリさん♪を出囃子に登場のアリンコン、今日の演目は「ちりとてちん」です。Atiritote2

気のいい旦那さん、自分の誕生日に源さんを呼んでお酒だ食べ物だとふるまいます。Atiritote51

素直に喜んでくれる源さんを見て旦那さんは、知ったかぶりで、食べたことがない物なんかないと豪語する裏の竹さんのことを思い出します。嫌な奴だとグチってるところに奥から「とうふが腐った!」との騒ぎが聞こえてきました。Atiritote514 旦那さんも源さんも腐ったとうふなんて見たことないので、捨てる前に一目見てみようってことになりますが、これがまたものすごい色と臭い! 鼻が曲がるとはまさにこのこと!  そこで旦那さん、ハタと思いつきます。 知ったかぶりの竹のこと、この腐ったとうふを地方の名物だと言って出せば食べてしまうんじゃないか?? 1度竹さんにギャフンと言わせたいと思ってたいた旦那さん、源さんと一緒に「長崎名物ちりとてちん」を作り上げ、人をやって竹さんを呼びます。Atiritote6

旦那さんの読んだ通り、竹さんは知ってるも知ってる、大知りだ、と言い張り、どんな食べ方をするのか教えてくれと言われて「ちりとてちん」を手渡されフタを開けると、もうこの世の物とは思えないすごい臭いとものすごい色!Atiritote71

知ったかぶりな性格ゆえ引くにひけない竹さん、あーでもないこーでもないと、ありもしない「長崎名物ちりとてちん」の薀蓄を語りだし、旦那さんに食べて見せろとせかされて遂にちりとてちんを・・・! 竹さん、七転八倒の苦しみにもがき奇声を上げながらもまだ強がり。そこで旦那さん、竹さんに聞いてみます。Atiritote8

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